フィリピンに学校を設立

私が起業を具体的に考え出したのは、今から8年前です。
当時、私は国内最大手の損害保険会社の社員として、代理店や企業を訪問していました。
ある日、当時のお客様から、「フィリピンに学校を作るので、あなたも出資をしまんか?」と問いかけられました。人間関係はできているお客様でしたが突然の問いかけに、当然ながら即答はできませんでした。

しかしその翌日に、私はそのお客様に「出資します!」と回答しました。
決して小さい額ではありませんでしたが、私が直ぐに決断したのは理由があります。

私はその2年ほど前に、ある新規上場の会社の株式を購入しました。その会社の株はみるみる内に何倍に上昇し、数百万円の利益を得ることができました。その利益を手にした際に私は思いました。「このアブク銭を”散財”することには価値を見出せない。どうせ苦労せずに手にしたアブク銭なので、世の中にとって意義のあるものに投資ができないだろうか?」

そんなことを考えている時にちょうど学校への出資を持ちかけられたので、私はあまり悩まずに出資することを決め、株の利益の全額を学校に出資しました。 私は、人はお金の”稼ぎ方”以上に、”使い方”でその人の価値が表現されると以前から思っていました。ですから、会社から受け取る給与は生活費や貯蓄に充てたとしても、生活費に使う必要のない不労所得は何かの役に立てたいと考えていました。

出資から半年ほど後に、私が一部出資した資金で学校ができました。私は当時の上司に渋られながら3月に1日だけ会社を休み、その学校を見学に行きました(上司には自分が学校を作ったことを伝えていませんでした)。学校に行くと先生や生徒たちが出資者である私を大変歓迎してくれて、感謝の言葉や握手をたくさん求められました。その時に私は「安易な気持ちで出資してしまったが、とても責任のあることにお金を出した。」と思い知らされました。

出資から8年、起業の決意

あれから8年が経ち、やっと自ら会社を作る決心がつきました。今までは起業をしても、自分の生活を維持するほどのビジネスを作れるイメージがありませんでした。その間は、(8年前に私に声をかけてくれた、もう1人の学校の出資者である)元取締役に、多大なご苦労をおかけしました。

現在、フィリピンの学校では、日本語教育と、IT技術者育成を行っています。
フィリピンのTESDA(日本の文部科学省のような公的機関です)の認可も得ています。ここ数年で卒業生が日本に来られるようになり、日本の一部上場企業への就職や、国立大学への入学など、私達も驚くほどの優秀な生徒が出てきています。

彼らの強みは目的意識の高さです。生まれた国に関係なく、目的意識の高い人間は優秀だと感じています。今後は、フィリピンの学校の卒業生が一人でも多く日本で活躍できる道筋を作り、人口が減少する我が国の経済活性化に寄与してくれる若者をより多く育成したいと考えています。(今後は看護・介護業界で活躍できる人材の育成や、フィリピン以外の国の若者が日本に来られるような道筋も広げたいと考えています)。